露点・湿度について考える
湿度でよく
湿度でよく
使われる用語
1 水分用語
- 水分
- 水の形態を問わず液体の水または水蒸気を表わすために通常用いられる。「水分」は、また、物質に吸収、あるいは結合している水の意味で特に用いられる用語でもある。
- 相対湿度
- 空気がどの位水蒸気で満たされているかを表わす量。
- 吸収(水蒸気)
- 物質内への浸透による(水蒸気)保持。
- 凝結物
- 凝結した物質、例えば液体状態の水あるいは氷。
- 脱湿
- 吸収あるいは吸着した水分の脱離。
- 乾燥剤
- 化学的に水蒸気を吸収することによって乾燥効果を発揮する物質の総称。
- 乾球温度
- 乾球温度計で測定された気温、通常は湿球と対で用いられ、それぞれの測定値により相対湿度が計算される。
- 湿度
- 空気または他の気体中における水蒸気の存在。「湿度」を相対湿度だけの意味で用いる場合があるが、厳密にいえば、「湿度」は湿度の絶対的表示の全てにも適用される。非常に低い湿度に対しては、他の専門用語が用いられる傾向にある。
- 湿度計
- 湿度を測定する測定器の総称。
- 湿度測定
- 湿度の測定のこと。
- 吸湿性
- 水蒸気を吸収する性質。
- 湿球温度
- ウィック(湿布)で覆われた温度計により表示され、ウィックからの蒸発速度に影響される温度。通常「乾球」温度と対で用いられ、それぞれの測定値より相対湿度が算出される。
- 絶対湿度
- 与えられた温度および圧力における湿潤空気の単位体積中に存在する水蒸気の質量SI(メートル)単位系では水のグラム毎立方メートル(gm-3)である。気象学では、提示の用語は「水蒸気濃度」である。また「水蒸気密度」、「質量濃度」、および「体積水分含有量」といった他の用語も同じ意味で用いられることがある。
- 露点
(または露点温度) - 気体を冷却していくとき結露、すなわち凝結が起こる温度。これは結果的には、空気が水と平衡状態にあり飽和している温度である。セルシウス度(℃)あるいは、他の温度単位(たとえば米国では華氏(℉))で表される。
- 平衡相対湿度(ERH)
- 空気とその近傍のどの物質とも正味の水分の交換がない場合の空気の相対湿度である。
- 霜点
- 気体を冷却してゆく過程で霜が生ずる温度。これは、実際には、空気が氷との平衡状態で飽和している温度である。それは露点と(値は異なるが)正確に対応するものである。セルシウス(℃)あるいは、ときには他の温度単位(たとえば米国では華氏(℉))と表される。
- 水分含有量
- 水分含有量は液体あるいは固体中に保持される水の比率を表す用語。
- (水の)飽和蒸気圧
- 与えられた温度で存在する水蒸気の最大圧力。圧力の単位で表される。
- 比湿
- 湿潤空気中の単位質量当たりの水蒸気の質量。無次元比として、または湿潤気体の質量1キログラム当たりの水のグラム数(g kg-1)によるか、または1キログラム当たりのキログラム数で表す(kg kg-1)。
- 蒸気圧
- 全圧力のうち、気体の成分である水蒸気が気体の全圧力に寄与している分担圧力。
- (水蒸気の)分圧
- ある気体の全圧力のうち、成分の水蒸気が分担している圧力の部分。
- 混合比
- 関係している空気中の乾燥空気の単位質量あたりの水蒸気の質量。無次元の比ではあるが、乾燥気体1キログラムあたりの水のグラム数(g kg-1)、あるいは他の質量単位で表されることが多い。 水分含有量が少ない時は質量百万分率で表わされる、すなわち乾燥気体の質量の百万分の一単位で水蒸気質量が表わされる(ppmw、またはppm(w))。
- 比較湿度
- 同じ温度での飽和混合比に対する実際の混合比の比であって、%で表される。
※通常の気候条件下で比較湿度は、相対湿度ほとんど同一である。 - (物質)水分活性
- 水分活性(aw)とは、吸湿性の物質、例えば食物のようなものが置かれている密閉空間において究極的に到達される相対湿度のことである。これは、0%~100%の代わりに無次元の0から1のスケール(単位なし)で表されることを除けば、平衡相対湿度(%RH)と同じである。水分活性は特に食物の原料に関連して用いられる。
2 一般用語
- 不活性気体
- 窒素、ヘリウム、アルゴン等のように化学的に反応性のない気体。
- モル
- 炭素12の12gに存在する原子と同数の要素粒子を行くむ物質量。モル(記号:mol)で表される。
- モル分率
- 成分のモル分率とは、問題にしている物質全体量に対する特定成分の量(モル数)の比である。無次元比として表される。
- (気体の)顕熱
- 気体の温度に従って気体中に存在するエネルギー。気体の単位質量あたりのエネルギー。
- エンタルピ-
- 湿気を含む気体の全エネルギ-の測度。エンタルピ-は、その気体の温度と圧力の関数であり、水分含有量の関数である。これは水が凝結状態から蒸気に変化するとき、水がエネルギ-を吸収するからである。空調の分野ではエンタルピ-は有用な概念であって、温度はまた水分量が増減するとき、どの程度の貯蔵エネルギ-が消費または放出されたかを知ることが重要である。気体のエンタルピ-は気体の各成分の「顕熱」および「潜熱」の合計として定義される。
- 潜熱
- 温度に直接関係しない物質に蓄えられる熱。たとえば、気体を蒸発させるために熱がもともと供給されたので、気体中に熱が蓄えられる。潜熱は物質の単位質量あたりのエネルギ-、すなわちジュ-ル毎キログラム(J/kg)で表される。
- 百万分率
- 「ppm」と省略されるが、質量(重量)によるppmか体積による ppm かを、さらに数値が乾燥気体に対する水蒸気の比であるのか、全(湿潤)気体に対するそれなのかについて必ず明示しなくてはならない。
- 体積百万分率
- 理想気体に対しては、気体の全体積に対する水蒸気の体積。ただし、湿潤気体の全体積に対して表わされる場合(モル分率×100万)や、全乾燥気体に対して表される場合もある。ppm値が小さい範囲ではこれらの二つはほとんど同じであるが、高湿度では両者はかなり異なる。
- 重量/質量百万分率
- 全乾燥気体に対して水蒸気の量(質量)(混合比×100万)を表わすために用いられることがある。しかし時には全湿潤気体に対する量(比湿×100万)を表わす。ppm値が小さいときはこれらの二つはほとんど同一であるが、高湿度では両者はかなり違ってくる。
3 測定器・電気用語
- プローブ
- 測定器の本体から離れてセンサを収納する装置の部分で、たとえば、本体に結合する電気リード線の終端に位置する。状況によっては「プローブ」という用語は一つ湿度計全体を指す場合がある。また厳密には区別せず「センサ」および「トランスミッタ」という用語に置き換えて使用されることもある。また測定に用いられる気体抽出用の管(筒)も「プローブ」と呼ぶことがある。
- センサ
- 測定装置における能動部あるいは感知部(湿度測定の場合は感湿部)。湿度計全体を「センサ」とする場合もある。また「プローブ」および「トランスミッタ」という用語とあまり厳密に区別せずに用いられることがある。
- 伝送器
(トランスミッタ) - 通常、測定結果を出力表示するというよりはむしろ電気的出力(アナログ/デジタル)を送る装置。センシングヘッドはトランスミッタの必要不可欠な部分の場合があり、また外部ケーブルを介して接続される場合もある。また「プローブ」および「センサ」が厳密な区別をせず互換的に用いられることがある。
もいすちゅーの水分講座
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