配管の材質、
継手について
正確な測定値を得るには、最適な配管・継手選びが不可欠です。適していない配管や継手を選んでしまうと正しくない測定値が出てしまうばかりか、リークの原因にもなります。
ここでは、よく使われる配管と継手について一例を紹介します。
1 配管
1)SUS304/SUS316L
ステンレス鋼で出来ており、強度・耐熱性・対候性・耐食性に優れています。
SUS316Lにはモリブデンが含まれており、より耐食性に優れます。塩化物が含まれる環境ではこちらをお勧めします。
BA管とEP管という種類があり、BA管はステンレス鋼管に冷間引き抜き加工を行った後光輝炉で熱処理をして表面をなめらかにしたパイプで、EP管はさらに内面に電解研磨を行ったものを指します。テクネではBA管を標準的に採用しています。
ごく低い露点、酸素濃度でも使用可能で、露点で言えばBA管なら最低-85℃、EP管なら-100℃以下まで対応できます。
2)テフロンチューブ(PTFE、PFA)
フッ素樹脂で出来ており、柔らかく取り回しや設置が簡単です。
耐薬品性・耐熱性・耐候性に優れています。
最低露点-60℃程度まで対応できます。
3)銅管
安価で加工しやすく、強度・耐熱性に優れます。
製造方法によって特性が異なりますので、選定時に仕様を吟味して下さい。
表面が粗く内面に水分や酸素が残りやすいため、あまり低い露点、酸素濃度での使用はお勧めしません。最低露点-60℃程度まで対応できます。
4)ウレタンチューブ
安価・入手が簡易で、最高10気圧までの耐圧性があります。強度、耐熱性等は他と比べて劣りますが、露点が低くない環境では十分使用できます。最低露点-20℃程度まで対応できます。
2 継手
上で紹介した配管を接続する継手にも様々な種類があります。
1)メタルガスケット式面シール継手
金属のガスケットを押しつぶしてシールする構造で、密閉性が非常に高い継手です。
真空装置やリークしやすい流体で主に使用されます。
2)ステンレス鋼管用ダブルフェルール方式くいこみ継手(SWL継手)
一般的に広く使われている継手です。配管外側に食い込ませた金属パーツをナットと密着させてシールする方式です。テクネではダブルフェルール方式を使用しています。密閉性が高くメタルガスケット式面シール継手に比べて安価です。
3)ワンタッチ継手
その名の通りワンタッチでチューブを取り付け・取り外しできる継手です。 安価で設置・交換・撤去も簡単ですが、密閉性・耐圧性は高くありません。
測定する露点・酸素濃度に対応する配管、継手の種類の対応表
使用下限値(露点/酸素濃度) | 配 管 | 継 手 |
---|---|---|
露点-20℃/酸素濃度1200ppmまで | ウレタンチューブ | ワンタッチ継手 |
露点-60℃/酸素濃度20ppmまで | テフロンチューブ 銅管 SUS管(BA管) | 食い込み継手 |
露点-85℃/酸素濃度0.5ppmまで | SUS管(BA管) | 食い込み継手 |
露点-100℃/酸素濃度0.03ppm以下 | SUS管(EP管) | メタルガスケット式面シール継手 |
当社では必要に応じて、お客様の環境に合った配管・継手をご提案しています。
お気軽にご相談ください。
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